短足の犬は可愛い

ゲイリーたゃゃさくオールドマンと呼ばれていた頃もあったよ

鈴木尚広選手の引退に伴いまして

自分語りすることに決めました。

鈴木尚広の引退発表。ショックなはずなのに現実味がなくて、受け入れられてないから悲しくもなくて。でも、どうしても尚広さんの凄さと自分語りを聞いて欲しくて、明日のファン感での引退スピーチを前に、ブログに書くことに決めました。

しかし書き終わらなかったので、結局引退スピーチ見ました。良いスピーチだった。

 

尚広さんは、私の持つ野球に関する記憶で、一番古い記憶にある人でした。まだ野球に興味を持ってなかった時、父親がリビングで見てた巨人戦。ライトの守備についてた尚広さんが、ヒットになりそうな打球をダイビングでキャッチした記憶があって。(確かあれ、厳密にはグラブからボールが溢れてたんだけど、尚広さんのプレーが凄かったのと、ボールがこぼれ出たのが分かりにくかったのとで審判がアウトって判定したはず。)

その時は選手の顔と名前が一致しないどころか、野球に興味も無かったんだけどその記憶だけはずっと頭に残ってて、中学生になって、坂本勇人ファンになった姉に引きずられて野球を見始めて、ああ、あのプレーをしたのはこの人だ、って分かったのが尚広さんのファンになった始まりでした。

 

私が見ていた鈴木尚広はいつだって凄かった。私が野球を見ている期間は、尚広さんを見ていた時間はたった6、7年だけれど、まさしくプロだった。尚広さんの登場に観客は沸いたし、一塁ランナーとして盗塁の期待に応えるだけでなく、これじゃホームイン無理だなって打球でも、高い技術でキャッチャーのタッチをくぐり抜けて、ファンの期待を超え続けた。尚広さんが一塁にいるだけで相手バッテリーは警戒したし、時には尚広さんが出てきたと同時に相手バッテリーが交代した。

巨人の切り札であり、原野球の申し子であり、プロフェッショナルであり続けた人。彼は成功するのが当たり前であった一方で、失敗することもあった。牽制死しても、盗塁に失敗しても、ホームで刺されても、彼の失敗なら良かった。鈴木尚広という選手の努力も、技術も、準備も、才能も、誰も疑わなかった。鈴木尚広という選手は、彼が残した結果なら何であってもしょうがないと思える、数少ない人物だった。

だからこそ、CSでの牽制死を理由に引退を決めた、みたいなファンの中での風潮はおかしいなって思ってます。結果が牽制死でも、盗塁成功でも、何でも、グラウンドではプロとしてのプレーしかしない人だと思ってるから。多くのプレーの中の一つで、ブチッといきなり切れてしまう人だとは思えない。

 

巨人の切り札。ゴールデングラブ賞を獲って、オールスターに出場して、日シリで優秀選手賞も獲得して、ホームランもサヨナラ打も打った、200盗塁以上の選手で一番の成功率を残した人。記録にも、記憶にも残る人。私を巨人に縛り付けてくれた、神様みたいな人。終盤の尚広さんは巨人ファンの希望だった。象徴だった。本当にありがとう。お疲れ様でした。

正直まだやれる人だと思うし、擦切れるまでやって欲しかったし、限界まで尚広さんのユニフォーム姿を見ていたかった。でも選手生命の限界までプレーすることを選択出来るように、引き際を自分自身で選択出来るのもまた、沢山の野球選手の中の一つまみの人間にしか許されないことだから。まだ見ていたかったけど、引退試合くらい、見せてくれたって良いじゃんとは思ったけど、今までずっとファンに素敵なプレーを見せてくれた人だから、不満なんて言わずに最後くらい尚広さんの思った通りのやり方で見送らないと。いや、やっぱり引退試合位見せてくれたって良いじゃんって思ったけど!!!

 

短い野球ファン暦だから、尚広さんのいない野球界を見るのが初めてなので、寂しくもあり、ほんの少しだけ、楽しみでもあります。

 

どうか、足だけ早い選手を尚広さんの代わりのポジションに突っ込むような愚かなことが起こりませんように。走塁だけじゃない、代打でも守備でも、良い選手が自分の長所を伸ばして、一軍に定着して、結果的に切り札になってくれれば良い。ていうかなんで最近巨人俊足内野手大好きなの。

 

本当にありがとう、お疲れ様でした。またいつか、巨人のユニフォームを着た尚広さんをもう一度見られますように。絶対絶対帰ってきて下さいねっていうかまあ帰ってくるよね!!!!!!尚広さんだもんな!!!!!!!!!

引退セレモニー、フォトセッションの時隣寺内で死ぬほど泣いた。本当に有難う。尚広さんを好きになれて良かった。たったの6、7年だけど、尚広さんを応援できて本当に幸せでした。